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KCON WALKER

コンクリートの起源から構造物築造の変遷 Vol.07

こんにちは!

弊社の顧問執筆によるコンクリートについてのいろいろなお話が新しくスタートします。
おもしろいのでぜひご覧ください。

 

23、往時の建築物と地震
 今まで土木構造物の紹介であったが、建築物について少々触れることにする。
 濃尾地震{明治24(1881)年}後に建築された主な建築物を紹介する。
明治37(1904)年日本初のRC建築物として佐世保港内第一烹炊場や潜水器具庫がある。つづいて、明治39(1906)年・神戸和田岬東京倉庫D号、明治42 (1909)年・渋沢倉庫、明治43(1910)年、黒沢ビル(3F、銀河6丁目)と続くが、これらの写真については見つけることが出来なかった。ただし、黒沢ビルについてはインターネット上に掲載されていたので写真-63に紹介する。


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写真-63 黒沢ビル


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写真-64 三井物産横浜支店1号館


 当時、米国や欧州では十数階の建物が建てられていた時代である。
現場の配合は1:2:4が基本で、加水して打設するようになり、強度が不足すると学者の助言があったが、6年後の関東大震災で試練を受けることになる。
本格的な中層の鉄筋コンクリート造として写真-64に示す三井物産横浜支店1号館(4階建て、地下1階)が築造された。この建物は関東大震災に遭遇する。
当ビルは築100年以上経過している日本初の鉄筋コンクリート造オフィスビルで、その竣工は明治44(1911)年の8月であった。
大正12年の関東大震災では、本館ビルの内部が焼失したものの建物には震災の被害は殆ど無かったという。また修繕工事ののち、昭和2年に2号ビルを増築し、現在の姿になった訳である。(インターネット情報による)


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写真-65 旧丸の内ビル
1923(T12)年~1999年(H11)


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写真-66 新しい丸の内ビル


写真-65に示す丸の内ビルは米国クラー社の設計で、完成は大正12(1923)年2月で7ヵ月後に関東大震災に遭遇する。関東大震災の以前にもう少し小さい地震があり、クラー社は大慌てで、当初鉄骨造の設計であったものをSRC造に変更し、関東大震災に耐えたことになる。その後、1999年に耐震性不足ということで、建て替えることになった。写真-66に新しくなった丸の内ビルを示す。
 昭和40年を境に猫車からポンプ車へとコンクリートの打設方法が変わった。
そのころからプレキャスト化が始まりHiPC工法が開発され、現在の超高層構造の始まりである。
関東大震災でRCの被害が少なかったが米国から調査団が来て、日本のRCは水を入れすぎている、強度が足りない、もっと配合論を勉強しなさい、となったらしい。


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写真-67 京橋の第一相互ビルヂング屋上より見た日本橋及神田方面の惨状


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写真-68 焦土と化した横浜市(横浜市寿小学校より撮影)


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写真-69 炎上中の警視庁


関東大震災は、大正12(1923)年9月1日11時58分32秒、神奈川県相模湾北西沖80kmを震源として発生したM7.9地震で、写真-67~69に示す。
この震災以降鉄筋コンクリート構造物は見直されるようになった。


24、軍艦島 
写真-70~73に示す軍艦島の正式名は端島で、長崎港南西約17.5km、端島より先に石炭鉱で繁栄した高島の南南西約2.5kmに位置する。
元々は現存の3分の1程度の面積の小さな島を昭和6 (1931) 年の最後の埋立て迄に南北約480m、東西約160m、周囲約1,200m、面積約6.3haという、防波岸壁が島全体を囲む現在の形にした。その拡大する様子を写真-71に示した。
当時として高層鉄筋コンクリート造のアパート等が密集するその外観が、洋上西方から眺めで戦艦「土佐」に似ているとし、「軍艦島」と呼ばれるようになった。


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写真-70 軍艦島 平面


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写真-71 軍艦島の面積拡大


良質な海底炭鉱の島で、昭和16(1941)年には同島最多の41万トンを出炭した。人口は最盛期の昭和35(1960)年に5,267人で、人口密度は当時の東京都区部の9倍以上で世界一だった。そして、昭和49(1974)年1月15日に閉山した。 写真-73の30号棟アパートは日本初の鉄筋コンクリート造で、大正5(1916)年築造で、当初4階建てが後に7階建に増築された。


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写真-72 軍艦島 側面


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写真-73 端島30号棟アパート 当初4階建て後に7階建て


参考文献
コンクリート材料工法ハンドブック
セメント産業における非エネルギー起源二酸化炭素対策に関する調査
コンクリートの長期耐久性・小樽港100年耐久性試験に学ぶ
 土木学会・第一大戸川橋の概要335委員会成果報告書
 雑誌:コンクリート工学
 神戸市水道局パンフレット
 湊川隧道保存友の会パンフレット
 建設業界⑩⑪ volume 52、2003
 土木学会誌 1992年11月号 北の国からの大いなる遺産
 その他インターネットより