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KCON WALKER

製品

台風に耐えた製品

開発営業部 T.F

 台風12号で奈良、和歌山は大きな被害を受けました。私の部署は弊社の製品を使用する設計を行っていますが、最近は災害復旧の設計も多くなっています。
下の写真は“うらかたくん”という大型ブロックと石積み擁壁が連続して施工された所で石積み擁壁が崩壊した箇所です。今回、護岸の積みブロック擁壁が沢山被害を受けました。
うらかたくん
那智勝浦町川関 2011.9.27

(護岸)擁壁とは一言で言えば、ある勾配でもたれ掛ったコンクリートの塊がその重さで裏からの土圧を押さえて安定している壁です。
積みブロックは、公の基準では高さと勾配のファクターで控長(擁壁の厚さ)が自動的に決められています。壁高7mでも控長55cmで使用できます。この基準は経験的に安全な控長として決められたとされています。
一方大型ブロックは、高さ、勾配以外に背面の土質と地形条件を加味して個別に安定計算を行って控長を決めています。
実際の設計業務において、積みブロックと大型ブロックが連続しているところで、積みブロックは控長55cmでOKなのに直ぐ隣の大型ブロックは120cm必要なんていう現場は普通にあります。大型ブロックの計算方法で積みブロックの安定計算を行うとほとんどがNGです。
大型ブロックの計算方法が安全側(過大設計)なのか、経験的な見積が甘かったのかは分かりませんが、積みブロックは崩れ“うらかたくん”は残っている現実があります。
災害復旧は読んで字の如く元に戻すのが原則です。限りある予算で多くを直さねばならない事は理解できます。
しかし、同じ直すなら次は安全な物を作りたいと思うのが設計者であり一般市民の感情だと思います。
積みブロック被害状況
積みブロック被害状況(龍神村丹生ノ川 2011.9.28)

大型ブロック
基礎下が洗堀されたても安定している大型ブロック(新宮市南檜杖 2011.9.28)

 もうひとつ製品を紹介させてください。下の写真は“セーフティロード”という張出し歩道ブロックを下から見たものです。セーフティロードは張出した歩道スラブを道路側に埋まっている基礎部と一体化した構造で、歩道下に支柱が無く歩道付け根の十分な耐力で持っています。
張出し歩道には支柱式の形式も多く採用されていますが、今回の台風で濁流が支柱を破壊し張出し歩道が倒壊した例が沢山ありました。
セーフティーロード
セーフティーロード(新宮市日足 2011.9.28)

弊社のセーフティロードは支柱が無いので下の写真の様に道路標識が90度に折り曲げられるほどの被害を受けたのにセーフティロードは濁流に逆らわない形状だったからか無事残っています。
折り曲げられた道路標識
折り曲げられた道路標識

セーフティーロード
セーフティーロード(新宮市日足 2011.9.28)