KCON WALKERケイコン社員のはんなりブログ
コンクリート製品の熟成?
技術部
ケイコンの技術部では、日々の設計業務と並行し新製品の開発等も行っておりますが、その業務の中で忘れられがちでありながら、とても大切なことがあります。それは製品の「熟成」です。
最近アメリカの有名なステーキハウス<ウルフギャング>を筆頭に、長期熟成させた美味しいお肉を食べさせてくれるお店が増え、食の世界では「熟成」という言葉を聞き慣れてきましたが、コンクリート製品で熟成? そう思われる方も多いかもしれません。
しかし<熟成>と言っても様々な意味合いがあり、コンクリート製品で言うなれば、「発展・改良」という言葉がそれに相当するのではないでしょうか。
例えば当社の重点製品であるL型擁壁もその一例です。ウォルコンに始まりニューウォルコン、ニューウォルコンⅢ型、そして大地震対応になったニューウォルコンⅣ型と、名前だけ聞いても熟成してきたことがわかります(笑)
ウォルコン
ウォルコンⅢ型
時を同じくして昭和47年に誕生した大型ブロックのSPブロックも、SPブロックⅠ型・Ⅰ-2型・Ⅰ-3型、Ⅲ-1・2・3型、緑化ブロックのSPグリーン・SPグリーンⅢ型、そして名前からは分かり辛いですが、「うらかたくん」「Coco-Aグリーン」もSPブロックが熟成(発展)したものです。
SPブロックⅠ型
うらかたくん
しかし何と言っても一番の醍醐味は、名前は変わらずひっそりと熟成を続ける名品です。
路面排水処理桝「save」がその筆頭だと思います。
知らない人も多いと思いますが、実は4回も熟成されていたのです。初代saveは製品内側に抜き勾配があり、上下にオスメスが付いていました。2代目は内側の抜き勾配がなくなり、上下のオスメスの形状が改良され、3代目は上部のメスが無くなりパッキンを改良、そして4代目となる今はダブルパッキンとこっそりと熟成(改良)されていきました。
save(初代)
save(4代目)
また、新製品ではあるが、実は熟成して初めて日の目を見る製品もあります。矩形水路がそれに当たります。今から10年以上前に関東を走る圏央道のトンネルで初めて産声を上げた矩形水路(当時は特殊水路と呼ばれていました)ですが、その後じっくりと熟成され新製品「矩形水路」として華々しくデビューすることができたのです。
矩形水路(旧)
矩形水路(新)
さてコンクリートのように固い話が続きましたが、熟成という言葉を語るに外せないのが<ワイン>です(笑)。ヨーロッパのボルドーやブルゴーニュのような有名どころから、カリフォルニアやチリなど世界中で作られ、愛されているワインですが、日本にもワインで有名なところが沢山あることをご存知でしょうか。
その中の一つ山梨県の勝沼・塩山地区は、斜面の水はけの良い地形と寒暖差のある気候も相まって、とても良いぶどう、そしてワインが作られています。
中でも日本の固有種である<甲州>という品種から作られる白ワインは、辛口の中にも豊かな味わいとキレを持つ、食事とも相性の良いフルーティーなワインです。特にシュールリーという製法で作られるワインは絶品です。白ワインなので、熟成にも限界がありますが、短い期間で熟成感が味わえる貴重なものだと思います。
最後に大手や有名どころにも負けず、小さいながらも良質で美味しい、プレミアムなワインを作っている「奥野田葡萄酒醸造」というワイナリーをみなさんにご紹介し、終わりたいと思います。気さくなオーナーと綺麗な奥様がワインをより一層おいしくしてくれること請け合いです。
技術部はこれからも全国の皆様にケイコンの製品・仕事を美味しい(素晴らしい)と言って頂けるような仕事を続けていきたいと思っています。